さて、恋愛において「好き」と伝えるタイミングって、本当に永遠のテーマですよね。いつ告白するのがベストなのか? とはいえ、実際に告白するタイミングって、相手も自分も「なんとなくお互い好意がある」と感じる状況で行うことが多いじゃないですか。多くの人が経験則で判断しています。
しかしこのテーマ、つまり「告白のベストなタイミング」について、心理学の観点から見てみると、とても興味深い事実が浮かび上がってきます。では、それを解説していきましょう。
男性は意外と「好き」と早く言う?
まず、一般的なイメージと逆に、男性って「好き」とあまり言わないように思われがちですよね? 「愛してる」とか言わなそう、って思いますよね。でも実はこれ、逆なんです。
統計データによると、男性の方が女性よりも先に「君を愛してる」と言う傾向があることが、国際的な研究で明らかになっています。日本を含むアジア圏を対象とした研究です。
ベルリン・フンボルト大学のワーリング博士が行った2025年の最新研究によると、MITの赤間(アカマン)教授の2011年の研究でも、男性は平均して女性よりも6週間早く「告白の言葉」を考え始める傾向があることが分かっています。
つまり、女性が「好きだな、思いを伝えたいな。どうやって伝えようかな」と悩んでいる時点で、男性はすでに「愛してる」といった言葉を考え始めているんです。面白いですよね。
このことからも、実は男性の方が女性に対して告白の言葉を早く考え始める傾向があるわけです。
さらにMITの赤間教授の研究によれば、カップルの約70%で、男性が先に「君が好きだ」や「愛してる」といった言葉を口にしているというデータもあります。つまり男性の方が、実際に言葉にするのが早いんですね。
ここで言いたいのは、「告白に躊躇している男性、終わってますよ」ということです。基本的には男性の方から行くものですから、きちんと言わないと「頼りない」「優柔不断」と思われる可能性もあります。これはぜひ覚えておいてください。
はい、というわけで、「男性から言ってくださいね」という話です。
進化心理学に基づく男女差
赤間教授の研究では、さらに面白い結果も出ています。男女差の背景には、進化心理学的な駆け引きも影響しているとされているんです。
どういうことかというと、男性は性的な関係に至る前に「愛してるよ」や「君が好きだよ」といった愛情表現をすることで、関係を進展させようとする傾向があります。これは「好きって言わないと受け入れてもらえない」という無意識の心理が働いているからです。
一方、女性は相手の信頼性を見極めるために慎重になります。たとえ「好きだな」という感情があっても、「でも性格に難があるかもしれない」「私なんかと付き合っていいのかな」と、一度好きという前提を踏まえた上で、さらに迷う傾向があります。
男性は「好きだ」と思ったら迷わず進むのに対し、女性は好きという気持ちの上にさらに熟考を重ねるのです。
つまり、男性の方が先に告白する方が、進化心理学的にも有利だったというわけですね。
また、男性は親密な関係になる前に「好き」と伝えることで、相手にポジティブに受け取ってもらいやすいです。一方、女性は身体的な親密さ――これは別に性的な意味だけでなく、たとえば何度も会って信頼関係を築いた後に「好き」と言われることで、安心感を持ちやすいという傾向があります。
もちろん、相手との関係性やタイミングにもよりますが、こうした傾向は知っておいて損はありません。
告白は3回目と5回目がチャンス?
最後に、告白に関する面白い心理学的研究をひとつ紹介します。
Dラボでも取り上げましたが、同じ相手に複数回告白した場合、最も「イエス」と言ってもらえる確率が高いのは、なんと3回目と5回目だという研究結果があるんです。
なので、1回振られたからといってすぐに諦めてしまうのはもったいないんです。告白は、間隔を空けつつ、5回目くらいまではしてみる価値があります。
カナダ・ビクトリア大学の研究と告白のタイミングについて
はい。えー、ビクトリア大学、これはカナダの大学ですね。そこで、ダヌスティンソン教授の2021年の研究があります。この研究によると、約3分の2のカップルが友人関係から恋愛に発展していた、ということがわかったんです。
実際に、以前「最高の人間関係」や「カップル関係」についてお話ししたときにも言いましたが、最高のカップル、つまり夫婦や恋人関係というのは、「親友であること」が一番重要なんですよね。お互いがお互いの親友であるような関係というのが、最も長続きするんです。ですので、友達からの恋愛というのは、全然アリなんです。
信頼関係がしっかり築かれた友達関係から告白する、というルートも全然アリだということですね。特に女性の場合、こういった形のほうが良いかもしれません。
また、コミュニケーションの方法にも気を配るといいでしょう。これは、ノースカロライナ大学のロー博士による2010年の研究です。これによると、テキストメッセージやSNSのメッセージに頼りすぎるカップルは、対面での親密な会話が減ってしまい、関係満足度が低下するというデータが出ているんです。
ですから、画面越しのコミュニケーションはなるべく減らした方がいいですね。たとえば、付き合っていても、あるいは付き合うまでの段階でも、ずっとSNSやLINE、テキストメッセージだけでやりとりしている人っていますが、やっぱり会って話すほうがいいんですよ。
実際、「彼女とはあまりLINEとかメッセージのやり取りをしないんだよね」っていう人の方が、関係満足度が高くなったりもするんです。なぜなら、感情が共有できないという問題があるからです。
ベストな告白に向けたアクションプラン5選
ではここからは、みなさんにおすすめのアクションプランを紹介していきたいと思います。以上の研究をもとに、「ベストな告白」に関するアクションプランを5つご紹介します。これに基づいて告白をしてもらえれば、成功の確率もだいぶ上がるんじゃないかなと思います。
アクションプラン①:チャンスを先延ばしにしない
はい。まず1つ目は、「チャンスを先延ばしにしない」ということです。「今はまだ早いかな」と思っているときこそ、実は告白のベストタイミングだったりします。さきほども言った通りですね。
チャンスを逃すよりも、「今だ」と感じたタイミングを大切にして、思い切って伝える。だいたい3回から5回くらいはチャレンジのチャンスがあります。
実際に、西オンタリオ大学の研究でも、「告白しなかった後悔」の方が大きいということが言われています。不安があっても、相手に敬意と思いやりを持って、素直に気持ちを伝えることが大事です。
ちなみに、ベストな告白フレーズというのも研究でわかっていまして、それがこちらです。
「好きです。付き合ってください。」
これだけでOKなんです。
よくありますよね、「君の瞳はまるで夜空に浮かぶ星のようだ…」みたいな、詩的な表現から始まる告白。ああいうのって、告白に5分くらいかかったりしますけど、あれ、いらないんですよ。告白はストレートがベストです。
アクションプラン②:関係のステージを見極める
次に2つ目のアクションプランは、「関係のステージを見極める」です。
これはどういうことかというと、お互いの親密度に応じて、告白のタイミングを多少調整するのが良い、ということです。これはMITのアッカーマン教授の研究によるものですね。
たとえば、男性は、親密になる前に感情を伝える(あるいは伝えられる)という形が良いということが分かっています。逆に女性は、十分な関係ができた後に愛情表現をされる方が好まれる、ということがわかっています。
なので、女性から男性に告白する場合と、男性から女性に告白する場合で、アプローチの仕方に差があると言えます。
男性は、まだそこまで超仲のいい状態ではなくても、告白を受け入れてくれることが多い。女性は、ある程度信頼関係ができた後の方が、愛情表現を受け入れやすいということですね。
ですから、すでにある程度仲が良くて、友達以上の関係ができているようであれば、もう告白してしまっていいんです。
アクションプラン③:友達期間を経た告白は効果的
そして3つ目のアクションプランは、「友達期間を経ているのであれば、適度な友人期間を作った後に勇気を出して告白する」ということです。これはありです。
個人的には、友達になってから3ヶ月から半年ぐらいでの告白が良いと思います。その間にしっかり仲良くなっておけば問題ないですね。
どういうことかというと、人間って面白いんですよ。出会ってから3ヶ月の間は「外見的な特徴」が優勢なんです。だからその間は、どうしてもイケメンや美人には勝てない。
でも3ヶ月を過ぎると、性格や行動といった「中身」に目を向けてもらいやすくなってくるんです。
だから最初の3ヶ月は、「男磨き」や「女磨き」をしながら、自分を高めつつ相手と仲を深めていく。そして、3ヶ月以降のタイミングで、恋愛関係へとアップグレードする。これがかなり良いテクニックになるんです。
実際、さきほど紹介したビクトリア大学の研究によると、友達スタートのカップルが、長期的には2/3を占めているんですね。なぜかというと、共通の友人や思い入れが、そのカップルの関係を守ってくれるからなんです。
「ずっと大事に思っていた」ということを、思い出を交えて伝えることで、特別な告白になります。「あのときこうだったよね」「あの瞬間に惹かれたんだ」みたいな話を添えることで、より刺さりやすくなります。
また、友達からカップルになると、「共通の友達がいる」という点も大きなメリットです。男女1対1の友達ってあまりいないじゃないですか。グループで仲が良かったりしますよね。そういうグループが、あなたたちを祝福してくれたり、見守ってくれたりするんです。
実際、夫婦関係を良くするための心理学の研究でも、「友達を共有するカップル」は関係が良くなるという結果が出ています。2人だけの問題じゃなくなるからこそ、良い関係が続くんですね。
アクションプラン④:感情をしっかり言語化する
はい。これはですね、感情をしっかりと言葉にして伝えるってことです。よくあるのが、「なんとなく好きだから付き合いたい」とか「一緒にいて楽しいから」っていうふわっとした伝え方。でもね、それだと相手に本気度が伝わりにくいんですよ。
心理学的にも、言語化された感情っていうのは、相手の記憶に残りやすいし、説得力が増すんですね。特に女性は、気持ちをしっかり説明してくれる男性に対して安心感や信頼感を持ちやすいという研究もあります。
だから、たとえば「〇〇の優しいところに何度も助けられた」「一緒にいると自然体でいられるし、自分も成長できる気がする」とか、具体的に言葉にしてあげてください。ただ「好き」だけじゃなくて、「なぜ好きなのか」をしっかり言ってあげると、心に刺さりやすいです。
アクションプラン⑤:告白のあとは結果よりも関係を大事にする
最後はこれです。告白って、成功したらゴールじゃなくて、スタートなんですよね。で、たとえ結果がどうであれ、その後の関係性を大事にするっていうのがすごく重要です。
告白が成功しても、その後に「急に態度が変わった」とか「雑になった」とかってなると、一気に信頼が崩れちゃいますよね。逆に、うまくいかなかったとしても、「これからも変わらず仲良くしていきたい」っていう気持ちをちゃんと伝えられると、相手との関係は壊れないし、場合によっては、後から恋愛に発展するケースもあるんです。
心理学でも、「告白後の対応」がその人の印象を決めるって言われていて、大人な対応ができる人って、それだけで好感度が上がります。だから、「結果にこだわりすぎず、相手の気持ちを尊重する」っていう姿勢が、実は一番かっこよかったりするんですよね。